COLUMN
【 中国経済 】
-中国消費の今-
耐久財は弱く、日常消費は底堅い
2026/08
中国の消費は、全体として弱いというより、分野によって明暗が分かれています。 中国国家統計局によると、2026年上半期の社会消費品小売総額は前年同期比1.3%増でした。一方、自動車を除く小売は2.8%増となっており、自動車などの高額消費が全体を押し下げている構図が見えます。 特に弱いのは、耐久財・住宅関連消費です。 2026年上半期では、自動車は12.6%減、家電・音響映像機器は7.4%減、家具は3.7%減、建築・内装材料は8.8%減となりました。 いずれも購入金額が大きく、不動産市況や将来所得への安心感に左右されやすい分野です。 中国では不動産市場の停滞が続いており、住宅購入や住み替えに関連する家具、家電、建材、リフォーム需要も弱くなっています。 また、フリーランス型の働き方が増える中で、収入の見通しが不安定になり、高額消費を先送りする動きも見られます。

一方で、一般消費財・日常消費は比較的底堅く推移しています。 2026年上半期では、食品・穀物・食用油が7.4%増、飲料が6.0%増、衣料・靴・帽子・繊維が6.7%増、化粧品が6.3%増、日用品が4.4%増、医薬品が3.3%増となりました。 つまり、中国の消費者は消費をやめたのではありません。 自動車や大型家電、家具などの大きな買い物を控える一方で、食品、飲料、日用品、医薬品, 化粧品など、日常生活に近い支出は続けています。 オンライン消費も引き続き伸びています。2026年上半期のオンライン小売は前年同期比5.2%増で、特に食品、衣料、日用品などが伸びています。消費者は、より安く、便利で、比較しやすいチャネルへ支出を移していると考えられます。

現在の中国消費は、
「耐久財は慎重、日常消費は底堅い」
という二極化した状態です。
今、企業にとって重要なのは、「中国消費が弱い」と一括りに見るのではなく、どの消費が落ち、どの消費が残っているのかを分けて見ることと言えます。
崔 学龍

