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肥満化が進む中国
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COLUMN

 肥満化が進む中国

2020年12月23日、中国国務院が「国民栄養及び慢性病に関する報告」を発表しました。この報告は現在の中国国民の健康と栄養状態を示しています。     04/2021

「広大な中国、肥満には地域差」

2019年10月に中国疾患予防センター慢性病研究室の研究チームがアナルズ・オブ・インターナル・メディシンに発表した研究データによると、一般型肥満*率の全国平均は14.0%となっています。表1からはこの結果が男女間で大きな差がないことがわかります。一方、地域別で見ると肥満率の平均値(表1)は明確な差があります。最も肥満率が高いのは北京を含む地域(天津市、河北省、山東省)です。特に北京の肥満率は男性26.6%、女性24.9%と全国平均の2倍近くに上ります。北京では4人に1人が肥満であることを指しています。反対例としては、中国の南部地域が挙げられます。男女とも4%程度に収まっている広東省、広西省、海南省があります。

 
図1の中国地図を見ると、大まかには肥満率は北の地域で高く、南の地域で低く見えます。中国北部は寒さが厳しい地域として知られています。一般的に、人間は気温が低い時には活動的でなくなったり、運動量が減ったりしますので、寒い地域では代謝が悪くなる可能性があります。一方、南の温かい地域では活動を阻害する要因がありませんので代謝が良い傾向があると見ています。

図1 中国 肥満率 地図

表1 中国 肥満率 内訳

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「中国の肥満はお腹ぽっこりの内臓脂肪型」

メタボリックシンドロームは国ごとに基準が違っています。中国も日本とは異なる基準を設けています。腹囲で見ると中国の場合は、男性90㎝以上、女性85㎝以上(日本では男性85cm以上、女性90cm以上)をメタボリックシンドローム(以下メタボと表記)としています。メタボに該当する中国人は全国平均で35%に上り、BMIの肥満率よりも深刻になっています。BMIと同様に地域別で見ると、男女とも一位は天津周辺(北京市、河北省、山西省)(図2)で男性が58%ほど、女性が50%程度と(表2)半数以上になっています。つまり、この地域の人は半分以上の人がお腹がぽっこりとして太って見えてしまうわけです。大まかに地域別を見ると、BMI同様に北部に肥満(メタボ)傾向が強いことがわかります。

図2 中国 メタボ率 地図

図2 中国 メタボ率 内訳

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「肥満化を進める要因を推察してみる」

本メルマガの第1回目で、中国は経済発展とともにカロリーの摂取量が増えてきたと述べました。(図3)のように男女ともに肥満率、メタボ率が平均を上回る11の省市と平均を下回る14の省市をそれぞれ人口当たりGDPを降順に並べて見ると、肥満率、メタボ率が上回るの省市のなかで北京市、天津市、山東省は平均GDPを越えているがそれ以外の省市は平均人口当たりGDPを下回っています。肥満率、メタボ率が平均を下回る省市では、上海市、浙江省、福建省、広東省が平均人口当たりGDPを大幅に超えていますが、それ以外の省市では平均人口当たりGDPを下回っています 。これから見ると肥満と経済発展とは相関がないと思います。また、北京市については、肥満率、メタボ率の背景に、単に経済成長著しいということだけでは説明できない首都ならではの要因もありそうです。北京市は現体制の中国において特別な都市ですので、そこに住む人たちにも潜在的な選民意識があります。そのため消費行動も過度になりがちな可能性があります。

図3.png

図3

 

一般に、肥満、メタボの直接的な原因は飲食習慣、生活習慣にあると言われています。このセオリーは中国にも当てはめることができます。では、北京市と広東省、上海市にはどんな習慣上の違いがあるのでしょう。さらに、大都市でなく、肥満率、メタボ率が高い地域は肥満化の原因として抱える問題点は何なのかを考えていきたいと思います。

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